NPO法人と公益法人の活動分野は同じ
いわゆるNPO法の正確な法律名称は「特定非営利活動促進法」です。
これは噛み砕くと、「特定の非営利の活動を促進する法律」ということです。
「特定の非営利の活動」ですから、促進することとしている非営利の活動を、法律で特定しています。
法律に規定されている特定の非営利活動とは、現在、以下の17項目です。
一 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
二 社会教育の推進を図る活動
三 まちづくりの推進を図る活動
四 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
五 環境の保全を図る活動
六 災害救援活動
七 地域安全活動
八 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
九 国際協力の活動
十 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
十一 子どもの健全育成を図る活動
十二 情報化社会の発展を図る活動
十三 科学技術の振興を図る活動
十四 経済活動の活性化を図る活動
十五 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
十六 消費者の保護を図る活動
十七 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
ただ、これを見てお分かりのように、これは具体的な活動内容とは、ちょっと違うような気がします。これはあくまでも非営利活動を行う「分野」でしかないでしょう。
上記のそれぞれの分野で、出版・広報活動や、調査・研究活動、指導・啓蒙活動といった、具体的な活動を行うことになります。
一方、公益法人(社団法人・財団法人)には、設立の根拠となる民法では、34条に「公益に関する」と記されているだけで、具体的な活動の分野、活動内容については規定されていませんでした(指導監督基準でも)。
さすがにそれではまずい、ということになって、今般の公益法人改革において制定された新しい公益法人制度では、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」(以下「公益法」といいます)という、公益法人たるかどうかの認定要件や手続きを定めた法律において、以下のような23項目の公益目的事業が規定されることとなりました。
一 学術及び科学技術の振興を目的とする事業
二 文化及び芸術の振興を目的とする事業
三 障害者若しくは生活困窮者又は事故、災害若しくは犯罪による被害者の支援を目的とする事業
四 高齢者の福祉の増進を目的とする事業
五 勤労意欲のある者に対する就労の支援を目的とする事業
六 公衆衛生の向上を目的とする事業
七 児童又は青少年の健全な育成を目的とする事業
八 勤労者の福祉の向上を目的とする事業
九 教育、スポーツ等を通じて国民の心身の健全な発達に寄与し、又は豊かな人間性を涵養(かんよう)することを目的とする事業
十 犯罪の防止又は治安の維持を目的とする事業
十一 事故又は災害の防止を目的とする事業
十二 人種、性別その他の事由による不当な差別又は偏見の防止及び根絶を目的とする事業
十三 思想及び良心の自由、信教の自由又は表現の自由の尊重又は擁護を目的とする事業
十四 男女共同参画社会の形成その他のより良い社会の形成の推進を目的とする事業
十五 国際相互理解の促進及び開発途上にある海外の地域に対する経済協力を目的とする事業
十六 地球環境の保全又は自然環境の保護及び整備を目的とする事業
十七 国土の利用、整備又は保全を目的とする事業
十八 国政の健全な運営の確保に資することを目的とする事業
十九 地域社会の健全な発展を目的とする事業
二十 公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進並びにその活性化による国民生活の安定向上を目的とする事業
二十一 国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安定供給の確保を目的とする事業
二十二 一般消費者の利益の擁護又は増進を目的とする事業
二十三 前各号に掲げるもののほか、公益に関する事業として政令で定めるもの
これは、現在の公益法人が行っている事業(活動)、および現在考えられる公益的な事業(活動)をまとめたものと解されます。
これもNPO法と同様、あくまでも事業(活動)の分野であって、具体的な事業(活動)の内容ではありません。
公益法人の場合は、上記の事業分野で、具体的にどのような事業(活動)であれば公益法人として認定するかについて、新制度の施行(平成20年12月を予定)までに、ある程度の詳細を内閣府に設置された「公益認定等委員会」においてガイドラインとして検討する予定になっています。
それはさておき、今回筆者が言いたいのは、タイトルの通り、上記に列挙した特定非営利活動と公益目的事業は、多少表現や言い回しの違うだけで、実際は同じものだということです。
最初タイトルは、「ほとんど同じ」という表現にしようかと思っていたのですが、このブログを書いている最中に「ほとんど」を取って、「同じ」だけにさせてもらいました。
以前から考えていた通り、やっぱり今日改めて何度も考えて(読み返して)みましたが、全く同じです。
なぜ活動分野が全く同じである法人が、別々の法律の下に分かれて存在しなければいけないのでしょうか。
筆者は、以前にもこのブログで書きましたが、NPO法人と公益法人は将来的には統合される関係にある、統合されるべきであると考えています。
その理由のひとつが、この事業(活動)分野が同じであることで、まずは、両者の行う事業(活動)分野は同一であることを、別々の法律の下に存在する必要がない理由の一つとして挙げさせていただきます。
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