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2007年8月の記事

2007年8月29日 (水)

NPO法人と公益法人の活動分野は同じ

 いわゆるNPO法の正確な法律名称は「特定非営利活動促進法」です。

 これは噛み砕くと、「特定の非営利の活動を促進する法律」ということです。

 「特定の非営利の活動」ですから、促進することとしている非営利の活動を、法律で特定しています。

 法律に規定されている特定の非営利活動とは、現在、以下の17項目です。

一 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
二 社会教育の推進を図る活動
三 まちづくりの推進を図る活動
四 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
五 環境の保全を図る活動
六 災害救援活動
七 地域安全活動
八 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
九 国際協力の活動
十 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
十一 子どもの健全育成を図る活動
十二 情報化社会の発展を図る活動
十三 科学技術の振興を図る活動
十四 経済活動の活性化を図る活動
十五 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
十六 消費者の保護を図る活動
十七 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動

 ただ、これを見てお分かりのように、これは具体的な活動内容とは、ちょっと違うような気がします。これはあくまでも非営利活動を行う「分野」でしかないでしょう。

 上記のそれぞれの分野で、出版・広報活動や、調査・研究活動、指導・啓蒙活動といった、具体的な活動を行うことになります。

 一方、公益法人(社団法人・財団法人)には、設立の根拠となる民法では、34条に「公益に関する」と記されているだけで、具体的な活動の分野、活動内容については規定されていませんでした(指導監督基準でも)。

 さすがにそれではまずい、ということになって、今般の公益法人改革において制定された新しい公益法人制度では、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」(以下「公益法」といいます)という、公益法人たるかどうかの認定要件や手続きを定めた法律において、以下のような23項目の公益目的事業が規定されることとなりました。

一 学術及び科学技術の振興を目的とする事業
二 文化及び芸術の振興を目的とする事業
三 障害者若しくは生活困窮者又は事故、災害若しくは犯罪による被害者の支援を目的とする事業
四 高齢者の福祉の増進を目的とする事業
五 勤労意欲のある者に対する就労の支援を目的とする事業
六 公衆衛生の向上を目的とする事業
七 児童又は青少年の健全な育成を目的とする事業
八 勤労者の福祉の向上を目的とする事業
九 教育、スポーツ等を通じて国民の心身の健全な発達に寄与し、又は豊かな人間性を涵養(かんよう)することを目的とする事業
十 犯罪の防止又は治安の維持を目的とする事業
十一 事故又は災害の防止を目的とする事業
十二 人種、性別その他の事由による不当な差別又は偏見の防止及び根絶を目的とする事業
十三 思想及び良心の自由、信教の自由又は表現の自由の尊重又は擁護を目的とする事業
十四 男女共同参画社会の形成その他のより良い社会の形成の推進を目的とする事業
十五 国際相互理解の促進及び開発途上にある海外の地域に対する経済協力を目的とする事業
十六 地球環境の保全又は自然環境の保護及び整備を目的とする事業
十七 国土の利用、整備又は保全を目的とする事業
十八 国政の健全な運営の確保に資することを目的とする事業
十九 地域社会の健全な発展を目的とする事業
二十 公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進並びにその活性化による国民生活の安定向上を目的とする事業
二十一 国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安定供給の確保を目的とする事業
二十二 一般消費者の利益の擁護又は増進を目的とする事業
二十三 前各号に掲げるもののほか、公益に関する事業として政令で定めるもの

 これは、現在の公益法人が行っている事業(活動)、および現在考えられる公益的な事業(活動)をまとめたものと解されます。

 これもNPO法と同様、あくまでも事業(活動)の分野であって、具体的な事業(活動)の内容ではありません。

 公益法人の場合は、上記の事業分野で、具体的にどのような事業(活動)であれば公益法人として認定するかについて、新制度の施行(平成20年12月を予定)までに、ある程度の詳細を内閣府に設置された「公益認定等委員会」においてガイドラインとして検討する予定になっています。

 それはさておき、今回筆者が言いたいのは、タイトルの通り、上記に列挙した特定非営利活動と公益目的事業は、多少表現や言い回しの違うだけで、実際は同じものだということです。

 最初タイトルは、「ほとんど同じ」という表現にしようかと思っていたのですが、このブログを書いている最中に「ほとんど」を取って、「同じ」だけにさせてもらいました。

 以前から考えていた通り、やっぱり今日改めて何度も考えて(読み返して)みましたが、全く同じです。

 なぜ活動分野が全く同じである法人が、別々の法律の下に分かれて存在しなければいけないのでしょうか。

 筆者は、以前にもこのブログで書きましたが、NPO法人と公益法人は将来的には統合される関係にある、統合されるべきであると考えています。

 その理由のひとつが、この事業(活動)分野が同じであることで、まずは、両者の行う事業(活動)分野は同一であることを、別々の法律の下に存在する必要がない理由の一つとして挙げさせていただきます。

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2007年8月20日 (月)

そもそも、財団法人って何ですか?

 このブログの読者の一人から、そもそも、財団法人とは何なのでしょうかという質問をいただきました。

 確かに、世の中の会社や団体は、そのほとんどが社団、つまり人の集合体である中で、財団という団体組織は、一種独特のものがあるように思えます。

 法人格を付与する法律も、会社法をはじめとして社団に対するものがほとんどで、財団に対して法人格を付与する法律は、ぱっと考えた限り、民法34条と医療法ぐらいしか思いつきません。

 財団とは、一定の目的の下に拠出され、結合している財産の集まりでありますが、これに法人格を付与されたものが財団法人です。

 一応説明しますと、ちなみに社団とは、一定の目的の下に結合した人の集合体であって、団体として組織、意思等を持ち、社員とは別個の社会的存在として団体の名において行動するものです。

 日本では、社団法人や財団法人というと、普通は民法34条の規定により設立された、公益法人としての社団法人や財団法人のことを指し、社団または財団のうち、公益を目的として管理運営されるものに対して、民法の規定により法人格を付与されたものを言います。

 海外にも財団は数多くあります。英語で言うと foundation が一番意味が近いと思いますが、foundation 自体には法人格の概念がありませんので、日本の財団法人の概念を正確に表現するには、juridical person(法人)という表現を添えるなど、ひと工夫必要なのではないでしょうか。

 財団法人は、社団法人と対比しながら説明するとわかりやすいのですが、社団法人と財団法人の根本的な違いは、構成要素としての社員の有無であります。

 社団法人は、社員が存在し、社員総会によって法人の意思が決定され、基本的には社員が出捐(しゅつえん)する会費をもって運営されます。

 一方、財団法人は、社員が存在せず、寄附行為によって定められた設立者(寄附者)の意思に基づいて、拠出(寄附)された財産(基本財産)の運用益をもって運用されます。

 このように、財団法人は基本財産の運用益を以って公益活動を行うことを基本としていますが、特にバブル経済の崩壊以降、低金利の時代に入り、基本財産の運用益のみで事業を行うことは困難となっていることから、実際には、賛助会員制度といった会員制度を設けている財団法人が多数存在しています。逆に社団法人は、基金を作って運用する例が目立っています。

 また、財団法人の中には、国・地方自治体の外郭団体として設立され、国や自治体からの補助金や助成金、委託費等によって運営されている法人も多く存在しています。これらの財団法人は、財団法人といいながら、基本財産は100万円とか、1千万円程度の規模しかない場合が多いです。

 最新の公益法人白書によりますと、全財団1万2,321法人の有する基本財産の額は、

  500万円未満          1,597法人

  500万円以上1千万円未満    617法人

  1千万円以上5千万円未満   3,273法人

  5千万円以上1億円未満     1,409法人

  1億円以上10億円未満     4,351法人

  10億円以上           1,074法人

   

という構成になっており、平均すると、1法人あたり413万円です(ちなみに、国所管の公益法人と都道府県所管の財団法人でかなりの差があります)。

 この統計からも、現実には、財団法人といいながら、財産の運用益だけで活動している法人は非常に少ないことが読み取れます。

 現在、公益法人の設立は、一定の財産の運用益または事業収入が見込まれないと設立の許可が下りません。以前、東京都において、財団法人であれば基本財産が5億円程度なければ設立は認められないと聞いたことがあります。その根拠は、年3%の利率として、大体年間1,500万円程度の収入があると見越し、それぐらいあれば、職員を2~3人雇用できて、一定の公益活動を行うことができるであろうと考えていました。社団法人でも、同様に約1,500万円程度の会費収入まはた事業収入が見込まれないと、設立の許可はできないとのことでした。

 現行の公益法人(社団法人、財団法人)の制度は、まもなく廃止され、新制度に移行することになっています。

 この要件が低いか妥当かは、意見の分かれるところではありますが、新制度においては、財団法人は、300万円の純財産があれば設立できることになりました。

 たった300万円で財団法人ができる・・・・(「たった」というかどうかは判断が分かれるのでしょうが)

 公益認定において、財産額の要件はありませんので、たった300万円で、公益法人にもなれてしまいます・・・・

 筆者は個人的には、財団というものの性質から、非常に疑問に思っているということがこの文面から読み取れてしまいますね。

  

 

 

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2007年8月 6日 (月)

一応意見を出しました

  そうそう、前々回(7月23日)のブログで書いた、新たな公益法人制度での公益認定にかかる政省令の案について、一応、私なりの意見を提出しました。

  以下に、意見内容を掲載します。

  お読みになったみなさんはどう思われますか。

  まだ、意見募集の締め切りまであと2日あります。

  みなさんもよかったら意見を出してみてください。

  じゃ、私の意見をご紹介しますね。

-------- ここから  ------------

1.公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(以下「認定法」といいます)施行規則案23条(収益事業等から生じた収益に乗じる割合)について

(1)意見

  「法第18条第4号の内閣府令で定める割合は、それに対応する費用及び租税公課を差し引いた純利益のうち100分の50」とする、あるいはこれと同趣旨の他の文言に変更する、また場合によっては法律の規定そのものの改正の検討、ないしは「収益」という用語の定義をどこかで明確にしていただくことが望ましいのではないかと思います。

(2)理由

  現行公益法人の指導監督基準2(6)③において、公益法人が収益事業を行う場合、公益事業のために使用する額は、可能な限り「利益」の2分の1以上とする旨定められているところ、新法においては、「収益」の2分の1以上とされたわけですが、これは本当に「収益」のままでよろしいのでしょうか。

  公益認定等委員会(以下「委員会」といいます。)の答申においても、現行が利益の2分の1であるから新法において収益の2分の1以上とすることがあたかも当然のことのように記されておりますが、通常は、会計的にも、「収益」とは、事業を行うことによって得たすべての対価を指す用語であるのではないかと認識しております。

  そうしますと、「収益」の2分の1以上とした場合、公益法人が収益事業を行う場合は必ず50パーセント以上の収益率で事業を行わなければならなくなりますが、一般的には、利益率50パーセント以上で事業を行うことは、いかなる事業においても普通はあり得ないのではないかと思われます。

  新法で言う「収益」が、「利益」と同義で使用されているのならば問題はありませんが、委員会の議事録あるいは新法に関する他のどの資料にも、「収益」の明確な定義づけを行っている部分は見当たらなかったのですが、通常は、「収益」と「利益」は同義ではなく、「収益-費用=利益」という算式において、「利益」は「収益」から費用を差し引いた部分を指すのであって、「収益」と「利益」は同義ではありません。

  現在の規定がそのまま施行された場合、将来的に大変なことが起こるのではないかと危惧しております。

  これが私の何かの勘違いであった場合には、どうかご容赦ください。これが私の杞憂に終わることを願っております。

2.認定法施行令案要綱の第6について

(1)意見

  法律の規定からすると、負債だけではなく、収益、費用、損失についても基準を設けるべきではないでしょうか。

  その場合には、現行の指導監督に準じた額が望ましいのではないかと考えます。

(2)理由

  認定法第5条第12号を何回読んでも、「収益の額」「費用の額」「損失額」「その他の政令で定める勘定の額」の「いずれも」「政令で定める」というふうに読めてしまうのですが、もしこのように解釈するならば、政令においては「負債」の額だけではなく、「収益」「費用」「損失」の額についても基準を定める必要があるのではないでしょうか。

  基準を定めるならば、現行の「公益法人会計基準の運用指針について」7.において定められたキャッシュ・フロー計算書を作成しなければならない大規模公益法人の規模の基準額準じることが望ましいのでないかと考えます。

  もし私の認定法第5条第12号の読み方が誤っていた場合には、どうかご容赦いただきますようお願いいたします。

--------------  ここまで  ----------------------

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